薪あつめに山で使う刃物は【片刃の鉈(ナタ)】が、安全性と作業効率を高めオススメです

一般の方にはなんてことないフツーの景色ですが、薪ストーブをやっている人にとっては、いいな~と見える景色があります。

それは、【山】です。

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薪ストーブをはじめるまでは、山は、ただの山だったのに、ストーブをはじめると、山の木を見て

これ全部【薪】にできたらなぁ〜。

なんて、誰しも一度は考えるところですね。笑


もっと深くなってくると、山の恩恵なども考えるようになるのですが、今は割愛します。

 

■山での薪あつめ作業は、3K・・・・

そんな、薪の原材料でもある、木が立ち並ぶ山。

タメゴローは、そんな山に薪あつめのために、立ち入ることがあります。

薪あつめ、伐採などの山での作業は、一言でいえば3Kと言われます。

きつい

きたない

危険

の3Kですね。

しかし、山作業で「きたない」というのは、雨さえなければおがくずや泥がつくぐらいなので、はっきり言ってたいしたことはありません。

夏場の暑い時期だと汗だくになって少々こたえますが、基本的に薪あつめのために山に入るのは、木が水を吸上げを止める秋~冬場が推奨されています・・・・。

ちなみに夏場は、木も水を多く含んでおり、切ってもとても重く運ぶのも大変ですし、スズメバチや蛇などの敵が多いので、タメゴローは基本的に夏には山に入らないようにしています。(北海道などの方、ごめんなさい・・・)

少し話がそれましたが、そんな「きたない」よりも、「きつい」と「危険」が山での作業をする上で大きな問題だとタメゴローは感じており、そんな山作業の「きつい」を少しでも楽にしてくれて、「危険」を少しでも危険じゃなくしてくれるのに役立つのが、【山に持って行く道具】だと思っています。

そんな道具をしっかり選び、使いこなせれば、山での作業も3Kなんてことはなく、自然の中で薪狩りをする、とても良い時間となりえるとタメゴローは考えています。

チェーンソーや安全靴など、山で必要な道具はいろいろありますが、その中でも山ではとてもよく使い、無いと不便で仕方ないのに、選び方があまり知られていないという不思議な道具があります。

それは、

【鉈】です。

今回は、そんな山へ薪集めに行く際の相棒、鉈の選び方について、何かの参考になればと、タメゴローの経験から書いてみたいと思います。

 

■山作業の相棒、鉈・・・

山で鉈などを使うシチュエーションですが、”軽め”の薪あつめが中心のタメゴローとしては次のようなものです。

 

1.藪ばらい(移動中)

薪の原料である木のある場所まで移動する場合、道があるとは限りません。

むしろ基本的にはない場合が多いです。

また途中までは獣道があっても、切る木までずっと続いているような”いい状況”は少ないものです。

そんな道中、行く手を阻むツタや雑草、時には飛び出した枝を切ったりどけたりしながら進むこととなります。

また、帰りには切った木を運ぶために通る道になるわけなので、最低限通れるようにしておく必要がありますね。

いわゆる「藪ばらい」という作業ですね。

 

2.伐採の作業がしやすい場づくり(伐採作業前)

いざ倒す木が決まれば、その木のまわりを作業しやすくするために整える必要があります。

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具体的に言えば、木を倒すためにチェーンソーを使う作業にあたって、邪魔な低木を刈ったり、作業スペースに飛び出している枝を切ったり、どけたりする必要があるのです。

これを面倒くさがると、チェーンソーの刃が動いている危険な状態で脚をとられたり、無理な体勢でチェーンソー作業をしなければならなかったりと、とっても危険です。

倒れる木から逃げるためにも、もちろん必要ですよね?

タメゴローは安全のため、時間がかかってもこの作業は必ずやるようにしています。

 

3.枝うち(伐採作業後)

チェーンソーで倒した木を、いきなり玉切りにするわけにはいきません。

木には多かれ少なかれ【枝】がありますので、先に邪魔な枝を無くす「枝打ち」をします。

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もちろん太いものはチェーンソーで行いますが、チェーンソーは使えば使うほど刃を傷めますし、やはりチェーンソー作業自体がとても危険な作業です。

その作業時間と出番を減らすだけで、山作業の危険度はぐっと下がります。

特に、疲れた状態でチェーンソーは絶対に使ってはいけませんよー!

ですので、2.5センチ(1インチ)以下の細い枝などは、極力チェーンソーに頼らずに、鉈で枝打ちをしています。

場合によっては鉈だけでなく、ノコギリも使い、徹底してチェーンソー作業を減らします。

また、枝打ちされた枝も薪に使えますので、短く切ったり、夏場などで枝に葉が茂っている場合はその葉を落とすのにも使います。

 

このように、「山に入る時」から「伐採前の準備」そして「伐採後」までと多岐にわたって作業をするのに使うのが、【鉈】です。

これは疲労を軽減し、安全の確保などに大きく貢献するので、使う道具である鉈もおのずとよく切れ、作業性の高いものを選ぶ必要があります。

 

■山で使われる鉈類は、イメージで選んではダメ・・・・

山で使う刃物はたくさん販売されていますが、選び方を間違えるとただ役に立たないだけでなく、危険がつきまとうものまであります。

たとえば、【マチェット】。

藪払いと言うと、よく連想されるのが、軍隊で使われるこちらのマチェットですね。

映画などでも、外国の軍隊とかで森を進む際にバッサバッサと薮を刈っているイメージです。


オンタリオ 18” ミリタリーマチェット 18

しかし、これは薪あつめの用途に限って言えば、あまり役に立ちませんし、何より危ないと感じます。

重くて、長すぎて、刃が薄いので、枝打ちなどにはちょっと・・・な、残念な1本。

確かに、ブッシュ(茂み)を刈るには悪くないでしょうが、薪あつめの1本としては、やめていた方がよいでしょう。

 

また同じように、ランボーナイフ(サバイバルナイフ)や、ミリタリーナイフなども、薪あつめでは役に立たないものが多いです。

このように、【イメージだけ】で選んでしまうと、せっかくの薪あつめが効率的に進みませんし、何より危ないです。

 

■薪あつめの相棒の条件は・・・

では実際に、どんなものを選べばよいかについて触れてみたいと思います。

タメゴローの体験からの簡単な選び方ですが、下記の6点に注意すればまず【薪あつめに使う鉈】としては大丈夫だと思います。

 

1.楽に振れる重さ、大きさ(刃渡り)のもの

鉈は重さで切る為、ある程度の重みは必要となりますが、疲れてきたときに危険でないように”重すぎない”ことも大事です。

よくホームセンターなどでも置いている180㎜(6寸)は、農作業などに使うのに適した長さなので、山では少し短かく、軽過ぎると感じます。

体格にもよりますが、

身体の小さい人なら210㎜(7寸)

身体の大きい人でも240㎜(8寸)

程度で刃幅が細くなく、振りやすいものがオススメですが、270〜300㎜(9〜10寸)までいくと、長すぎて少々取り回しづらいのと、疲れてきた時に重く感じて危険だと感じます。

逆に180㎜(6寸)でも「極厚の刃」であれば、枝を楽に断つ重さを持つものもあるので一概に言えませんが、これらを目安だと考えて欲しいと思います。

 

2.楽に抜くことができ、安全にしまえる鞘の形状・仕様

鉈本体をしまい、安全に腰に下げて歩くために「鞘(さや)」があります。

image 山では足場が悪く、転倒することもありえますので、腰に下げた鉈でケガをしないというのは大事なことです。

まず簡単に抜けてしまわないボタンなどがあるもので、なおかつ片手、さらには指で簡単に操作してロックをはずして抜けるものが望ましいです。

鉈は頻繁に出し入れしますので、ここでストレスのないものであることは結構重要だったりします。

素材は、よく柔らかいビニール製や革製などの、「ソフトケース」に入れている方がいますが、これは避けた方が良いです。

つまづいて鉈の上に尻餅をついたら、ソフトケースを破って出てきた刃に触れた、などは”避けられるリスク”ですよね。

少々大き目になりますが、木製で補強のついたものか、プラスチック製の固めの鞘をオススメします。

鞘は大事なのです!

 

3.薄すぎず、欠けにくい刃

鉈の刃は、石などに打ち込めば簡単に欠けてしまいます。

たとえステンレスなどの強度が高めのものであっても同じことなので、基本的には草木などしか刃はあててはいけません。

しかし、気をつけていても当ててしまうことがあります。

そのため、強度のある刃とするためと、メンテナンスで研ぎながら永く使ってゆくためにも、少し厚めの刃をオススメします。

 

4.すべりにくく、にぎりやすい柄の形状

ホームセンターの鉈は、柄が真円に近いものが多いですが、これは少し握りにくいです。

薪割りの斧でも、焚き付けつくりの手斧でも、片手で使うものの持ち手の断面は楕円のものが多いですよね?

楕円のものが握りやすく、握力も少しで握れる傾向がありますので、安全の為にも握りやすい柄を選びましょう。

 

5.片刃のもの

これが一番大事です。

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左が両刃、右が片刃です。

よく家にあるので、と焚き付けつくり用の両刃の物を使っている方がいますが、作業効率が随分と変わります。

両刃は割ることに向いており、片刃は切ることに向いています。

枝などを断つ場合も、片刃なら一振りで良いものも、両刃だともう一振り必要となったりします。

ですので、鉈を少ない回数振ることで作業を終えることができるということは、体力の消費を抑えられ、刃物を扱う回数もへらせるので安全性が大きく変わります。

薪あつめは【片刃】ですよ〜!

 

6.剣先の形状は自由

一般的な鉈は刃に対して直角な剣先で、刃がついてないものが多いです。

しかし、鉈によってはえびつき、はしつき、ナガサなど剣先の形状が違うものがあります。

尖った形状のナガサや、山刀と呼ばれるものは枝を打つにはあまり変わりませんが、藪払いのときに効果を発揮しますし、山で狩りをするマタギの人などはそれ一本で動物の解体までしてしまうほどなので、色々と使えて便利だったりします。

しかし使い慣れていないと尖った剣先は危険なので、一本目として入手するならば、一般的な尖っていないものをオススメします。

ナガサ、山刀は2本目としてはとてもオススメできますので、慣れてから手に入れましょう。

 

以上、6点に注意してもらえば、薪あつめ用の鉈としては失敗しないものとなるでしょうし、安全に使ってもらえると考えます。

 

◼︎具体的には、どんな鉈が良いか・・・

上でチェックした条件で一般的に販売しているものの中で探してみると、オススメできるのがこの2本です。

 

すべりにくく、衝撃吸収するグリップで有名な【シルキー鉈】

シルキー 鉈 ナタ 片刃 240mm

ステンレス系の合金で錆びないと言われています。

これ、タメゴローも使っていますが、まあまあ錆びません(うつり錆びはあります)し、総じて使い勝手はよいです。

それよりも、ゴムグリップがなかなか秀逸で、すべりにくいだけでなく、打ち込んだときの振動を吸収してくれるので、手が痛くなりにくく感じます。

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しかし、ステンレス系の刃なので刃こぼれしても自分で砥げないし、切れ味は鋼のついた打ち刃物にはどうしても劣ってしまいます。(包丁でもそうですが、ステンレスは硬く、研ぎに出すと結構高額だったりします)

あまり刃物にこだわらない方や、とりあえず1本などであれば、これで大丈夫だと思います。

 

本格派には【営林仕様の土佐製片刃鉈】


腰鉈営林210黒 片刃 ダマスカス

林業の専門である【営林仕様】、しかもカスタムオーダー可能な土佐の打ち刃物、トヨクニです。

山師さんからのカスタムオーダーを受け付けている打ち刃物で、信頼度も高く使いやすいと評判です。

やはり刃物の国、土佐は打ち刃物においては、ランクがひとつちがう様で、鉈としての刃と柄のバランスがよいと評判の1本。

ちなみに「ダマスカス」とは、古代インドのウーツ鋼というものを使いつくられた、木目の浮かぶ伝説的な刃物を指したものだそうです。

現代では古代の製法は再現できないため、いくつもの鋼を重ねて打たれたもので、刃に木目状の波紋が浮かぶ、つくるのにとても手間の掛かっている鉈。

正直言って、「ダマスカス」である必要はあまりないのですが、さすが打ち刃物!

タメゴローの薪仲間が使っていたので借りてみると、まずバランスがよく、やはり切れ味も違いました。

この切れ味は、刃に鋼が入っている【日本刀と同じつくり方】だからこそでしょう。

タメゴローの少々”なまくら”なシルキーだと、2回打ち込む必要がある枝でも、ほぼ1発で断ってくれます。

作業がサクサク進むのはいいですね~。

ステンレスではないので、研ぐなどのメンテナンスは必要ですが、チェーンソーの刃研ぎと一緒で、一度やればすぐに覚えます。

またそうやってメンテナンスをすることで、愛着も強くなりますし、枝のグラつきなど、使うのにも危険が無いかのチェックもできるので、より安全な使用ができるようになりますね。

長さは210ミリ~240ミリ程度が重さのバランスもよくオススメです。

ちょっと高価ですが、どうせずっと使うものなので、いつかほしい1本だったりします。

 

◼︎その他の山で使われる鉈・・・

ちょっと話がそれますが、山で使われる刃物としては同じですが、狩猟用として昔から有名なものもご紹介しちゃいます。

【マタギナガサ(フクロナガサ)】

西根打刃物製作所 叉鬼山刀(マタギナガサ) フクロナガサ (6寸)

銃を持ち、熊や鹿を狩りに山に入る、山のプロである【マタギ】。

そんなマタギの人が持っているのが、こちらの剣先の尖った鉈である【ナガサ】です。

これ一本で、山での生活全般から、獲物の解体まで、実に様々な作業をこなしてしまうそうです。

そのナガサでも柄の部分まで一体の鉄で作られ、柄のお尻から持ち手の中も空洞になっているものが、”フクロ”ナガサと呼ばれます。

これは、銃の弾が尽きた時に獣と戦う最終手段として、持っている杖の先にこのフクロナガサをとりつけて使うための独自の形状です。

一般的には使うことは無いと思いますが、こういったものも今でもつくり続けられています。

 

【剣鉈】

ナガサの柄が木製となって握りやすくなり、安全性を高めるために”ツバ”がついた形状の鉈です。

土佐鍛ダマスカス山遊鉈 木鞘銅版オイルステン

これも片刃のものであれば、もちろん薪あつめにも使えますが、見た目はナイフに近いものとなっています。

剣先はナガサと同じく尖っており、枝打ちだけでなく、魚などのサバキなど様々な作業がしやすいタイプです。

 

【豆剣鉈】

剣鉈のチビバージョンです。笑

土佐鍛ダマスカス豆山遊鉈 剣鉈

刃渡りが短いので、これ一本では薪あつめには不足ですが、鉈を持った上での【サブ】の刃物としてはとても便利です。

剣鉈やナガサと同じ形状の剣先は、細かな作業がとても楽にできるので、釣りなどでも釣った魚のシメや血抜き、解体、その他作業まで、取り回しの良い短い刃がとても便利です。

キャンプなどに行くのなら、これ一本あれば事足りてしまいます。

切れ味は、打ち刃物なので、言うに及びませんね。

 

■まとめ・・・

いかがでしたでしょうか。

薪あつめに山に行くにあたり、鉈をきちんと選ぶことは、作業効率を上げ、疲労を減らしてくれるだけでなく、危険を減らしてくれるとても大事な道具だと知っていただけたかと思います。

逆に無ければ、山を”ただ歩くだけ”でも不便で、薪あつめとなると時間も手間も倍以上はかかってしまい、とてもスムーズに作業ができるものではありません。

そんな、薪あつめの山での相棒となる【鉈】は、しっかりと選んでもらい、愛着を持って使っていってほしいと思う、タメゴローでした。


シルキー 鉈 ナタ 片刃 240mm

 


腰鉈営林210黒 片刃 ダマスカス

 


土佐鍛ダマスカス山遊鉈 木鞘銅版オイルステン

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