タメゴローです!
「クセモノ薪」ってご存知ですか?
一般的にイメージされるような「きれいな玉切り」状態のものでなく、
- 曲がりくねったモノ
- まっすぐだけど中身(繊維)がねじれているモノ
- 枝分かれ部分
- 根本部分
[ad#a1]
などの、大体一筋縄でゆかず、普通に1度斧を振るっただけでは割れないことが多い、「クセモノ」(漢字で書くと”曲者”)な薪のことです。
これらは割るのに大きな労力を要することになることが多く、最終的には「重い斧」や「クサビ+ハンマー」
に頼ることになりがちな、薪割り人にとっては天敵と言ってよいヤツです。
重い斧は体力を奪いますし、クサビ+ハンマー
は割れはしますが音がキンキンとうるさいので、斧による薪割りに比べるとご近所さんにもより気を使うものですね。
(クサビを使うならハスクバーナの上記の、”ツイステッドタイプ”がねじれを利用して割れやすくてオススメです)
それにいつもの斧で割れないとなると、なぜか「負けた気がする」ので不思議なものです。
そんな理由からタメゴローは、できるだけ「いつもの斧一本で割る」という道を探しています。
いわば「クセモノ(薪)退治の道」をストイックに掘り下げる「薪割り探求者」と言ってもよいのではないでしょうか。笑
まあ、冗談はさておき、今回はそんなクセモノ薪の割り方についてです。
■なにはともあれ、筋を読みましょう・・・
今回は「枝分かれ」部分をやっつけることとします。
よくある「二又」かと思いきや、間に小さな枝が入る「変形三つ又」という、なかなかの好敵手。
さて、どうやってやっつけますか・・・。
いつものごとく、まずは割るべき玉切りをボーッっと見ましょう。
これが大事で、
- 枝や節の有無
- 天地の裏表
- 乾燥して割れが入っている部分
などをさらっと観察して、「一番効率的に、少ない労力で」割れる「目」を読みます。
効率的に割るためのオリエンテーションです。
セオリーでいけば「端部から添いでゆくように」攻めるところですが、クセモノには良くも悪くもセオリーが通じないことが多いので、悩みどころです。
今回タメゴローはセオリーを無視して、大胆に一番太い部分であろう、「真ん中のちょいと太い側」を縦に攻めるこにしました。
うまくゆけば大幅な時間短縮にもなりますし、案外間に生えている枝付近は繊維のからみつきが弱かったりするので、接着面積が半分程度であれば割り切れるはずです。
使う斧はもちろん、タメゴローの愛用の、
ヘルコ スプリッティングマスター DT-6です。
タメゴローは、これ一本で95%以上の薪を作っています。
■筋を読んだら、後は斧を落とすだけ・・・
斧を落とすポイントを決めたら、迷いは不要です。
「斧を振り落とす!」
これだけです。
「おっし!」
見事一発で割れました!
この「読みきって割ることのできた爽快感」は、普通の玉を割った時の10倍気持ちいいものです。
割れた断面を見てみると、繊維はからんでいたようですが、シラタが多かったためにすなおに割れてくれたようです。
このように、「クセモノは一発目が勝敗を分ける」ことが多いと思います。
一発目が思い通りゆくと、割れた断面を見ることで繊維も読めるため、あとはなし崩し的にやっつけてゆけるというものです。
では残りをやっつてゆきましょう。
大きく残った方をやっつけてゆきます。
素直に真ん中に斧を落とし、
気持ちよく真っ二つに。
この残った玉は割りと素直な繊維だったため、パカパカとわれてゆき、
最終的には、
このように、いいサイズまで「それぞれ一振りづつ」でもってゆけました。
今回は、あえてセオリーを無視した筋を読みましたが、クセモノ薪は繊維の絡み具合や節の入り方など常識が通じないことが多いので、案外こういった読み方が合うことがあります。
クセモノでセオリー通りいってダメなときは、ぜひ「これは無理かも、だけどもしかしたら・・・」という筋を選んでもらうと、びっくりするほど簡単に割れたりするので、いろいろな割り方のチャレンジをしてもらいたいと思います。
■みなさんも、ぜひ積極的にクセモノ退治を・・・
苦手意識の芽生えやすい”クセモノ”。
それを筋を読みきりやっつけることで、攻略する喜びと割れる玉の範囲が広がることにつながることになると思います。
すると不思議なもので、クセモノだけでなく薪割り全般により自信がつくこととなり、薪割り自体がもっと楽しくなってしまいます。
薪割りこそ、「トライアンドエラーの精神」だとタメゴローは考えていますので、筋を呼んで一発で割れなくても、
「成功しない方法がひとつ分かった」
と思いチャレンジし続けることで、すぐに効率的に、より気持ちよく薪割りを楽しめるようになると思います。
そんなわけで、ぜひ「クセモノほど楽しんで」割っていただきたいと思う、タメゴローでした~。
タメゴローの愛斧
ヘルコ スプリッティングマスター DT-6で、
割れやすさについての性能はほとんど同仕様で、素材と風合いによりこだわった、職人的かつ道具感の強いものが
ヘルコ ヘリテイジ スプリッティング アックスHR-1です。
こいつは「使い込みたくなる風合い」をもっていますね~。
クサビは1本では食い込んで困ることとなりますので、2本以上セット使うことをオススメします。(3本あってもいいぐらい)
はじめまして。
今年ログハウスを建てることになりまして、薪ストーブを検討しているのですが
玉切りのチェーンソーの騒音が近所迷惑になったら嫌なので、どこか切るのに最適な場所などご存じないでしょうか。
ミソさん
はじめまして。
そして、せっかくコメントをいただいたのに、返信にお時間が経ってしまいもうしわけありません。
ログハウスもスタイルがあっていいですね~!
ぜひストーブの似合う家にしてほしいところです。
さて、「玉切りのチェーンソー騒音」ですが、タメゴローは多くの場合、木を伐採したその場である山や林で玉切り作業をしてしまいます。
ですので家で玉切りをするのはできるだけ少なくしておりますが、どうしてもの場合は家でもやっています。
しかし、ご心配のとおり結構な騒音です。
幸いなことにタメゴローの家は田舎なため隣の家までの距離が確保されていますが、それでもうるさいだろうと思います。
友人が団地住まいで薪ストーブをやっているのですが、やはり同じ問題で悩んでおりました。
その友人がとった対策としましては、「電動チェーンソーを使う」というもので、これで随分と静かに作業ができるようになったと言っておりましたのでご参考までに。
パワーはやはりエンジンに劣りますので作業時間は長くなるとは思います。
ホームセンターなどでレンタル工具として置いてある場合もありますので、一度試されてみてはいかがでしょうか。
幸せなログハウスが建つことを応援しております。