タメゴローです。
みなさんは【薪ストーブ】や【暖炉】というと、どんなイメージが頭に浮かびますか?
男性であれば、
雪降るクリスマスに、暖炉の火の前で恋人と二人ワイングラスで乾杯・・・。
暖炉の前で安楽椅子に座り、ヒザの上のシャムネコをなでながら、ブランデーのグラスを手の中で温める・・・
タメゴローより年上の方なら、上のようなイメージが容易に頭に思い浮かぶと思います。笑
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やはり暖炉やストーブというのは”寒い冬のイメージ”が強く、その寒い中で「暖かさを感じ」「リラックスする」「しあわせな」シチュエーションが思いつきやすいようです。
そんな、イメージにある”ベタ”とも言える、
【セッティング】
ですが、これってイメージだけでしょ?
と、思いませんか?
タメゴローは正直言って「イメージ先行で、実際はそこまでリラックスできたり、いいものではないだろう」と考えていました。笑
よしんば、大体の想像がつくのです。
そんなにもみんなが揃ってイメージするほどの「そこまでのシアワセ感」は得られないだとうと。
しかし、実際にやってもいないのに、建築家として、その【シチュエーション】について語るわけにもいきません!
(いつも薪ストーブやハンモックのことばかり書いてますが、そういえば本業は建築家でしたので。笑)
ではちょっとだけ”仕事モード”で。
タメゴローは仕事などで、参考になる建物やインテリアなどを見学すると、その建物や空間が「どういう要素で構成されているか」を見て”分析”します。
和風の木造の住宅を例を挙げてみます。
外観なら、
- 「壁はサイディング下地二丁掛けタイルと塗り壁のコテ目仕上、それぞれ40:60程度の比率」
- 「屋根は平板瓦の銀黒で5寸勾配、庇の出は1.5間、タルキも化粧で鼻かくしは松材巾120無塗装仕上、軒樋なし」
- まわりの住宅は何調の外観でどんな距離感にあるか。緑の有無。
などなど、内装でしたら、
- 「床はクリムクフローリング巾120」
- 「壁は杉無垢腰壁に漆喰コテ目仕上」
- 「天井は力天井、配線は化粧現し」
- 「照明は間接メイン、タスクライトはヤマギワのベンダント」
- 「家具はカッシーナのLCシリーズと、カリモクの無垢テーブルシリーズ、造作は基本クリ無垢無塗装30厚」
というように、専門用語の羅列になってしまいましたが、要はどんな材料やシチュエーションでその空間がつくられているか、どんな寸法だから、こういったイメージを受けるのか、などをひとつづつ紐解くわけですね。
(ちなみに上の羅列はほんの一例です。建物を分析するには、見える景色や外と中の関係性、歴史的視点など、ここでは書けないぐらい多岐にわたり何度も繰り返して分析するものなので)
なんとな~く見ているようでも、建築をやっている人間はこういったことを考えながら建物を見学しているのです。
これと同じように、”暖炉のイメージ”の【セッティング】を要素として簡単に洗い出すと、
- 寒い屋外が見える窓(出来れば雪が積もっていること)
- 暖炉や薪ストーブ(これがなくてははじまりませんね)
- 安楽椅子やソファーなどのくつろげる椅子
- 手をのばせば届く机
- ひざかけ
- 食事(ちょっとつまめるもの程度)
- お酒(アルコール)
- 語らう人間
- ネコ(笑)
これらで、【炎を楽しむためのセッティング】といったところでしょうか。
これを出来る範囲で再現するということで、タメゴローは次のように【炎を楽しむセッティング】してみました。
- 子供達が寝静まった寒い夜
- 薪ストーブには熾火の上に、新たに2本の薪をくべる
- 薪ストーブの前に3人掛けソファーとひざ掛け
- 手の届く位置にローテーブル
- テーブルの上には本を数冊、お酒、ちょっとオシャレなおつまみを
- TVは消して、テンポの速くないBGM
- 残念ながらネコはいないので、手ごろなサイズのぬいぐるみ
最後に理由をつけて、奥さんをお酒に誘いました。
こんな感じでスタートです。
二人で静かに乾杯をし、ソファに身を沈め、ストーブの揺らめく焔を肴にグラスを傾ける・・・・
今日仕事場であったことなどを奥さんと話しながら、子供の様子などを聞いたり、他愛もない話をしたり。
ちょっとオシャレなおつまみのおかげか、お酒はグイグイでなく、チビチビとですがあまり間をあけずに進んでゆきます。
ふっと会話が切れると、ストーブの中で踊る焔を見つめている奥さんがいたりします。
BGMはインターネットラジオを接続した埋込みスピーカーから流れるボサノヴァと薪ストーブの中で木のはぜる音。
たまに、なでてみるぬいぐるみ・・・笑
だんだんと、”おだやかな気分”になっていく自分がいます。
(なんだか、こう書いてみるとはずかしいですね・・・笑)
ん?あれ?これって、すごいシアワセを感じてるんですけど・・・。
・・・なんでだろう?
ソファでしている会話も、別段色っぽいものなんかではなく、いつものダイニングテーブルでする会話と同じような内容なのに、とてもシアワセな会話をしている気分になります。
言い方を替えると、なんだかゆったりとした”特別なデート”をしているような雰囲気が漂よっています。
(タメゴローの一方的な思い込みかもしれませんが。笑)
・・・これはどうやらイメージだけではなかったようです。
あんまりにいい心持ちなので、理由を考えてみました。
(野暮ってもんですが、そこは建築家として要素を知りたかったので・・・笑)
- 寒い中、熱源の前で身体的にも視覚的にも暖かい
- 炎のゆらぎ(1/fゆらぎ)が脳に与える刺激
- 身体も温まり血行も促進される
- 手を伸ばすだけでお酒、おつまみがある状況
- アルコールを取り精神的にも安心している
- ソファで身体が楽な姿勢となっている
- TVでなく耳にだけ届く”ゆったりめの”BGM
- 自然な会話
これらの要素は”ひとつづつでも”【リラックスした状態】をつくることができるものです。
その【リラックスした状態】をつくる要素が、ストーブを主軸として【同時にたくさん揃った状態】になっているのですね。
それはシアワセを感じるはずですね~。
あ、タメゴローの場合は「ぬいぐるみ」は「そこまでいらないかな」、と思いましたが、一人で楽しむなら”ぬくもりを感じられる”「ネコ」の意味は大きい気がしました。
似ている感覚としては、屋外では”キャンプでの焚き火”が、屋内では”コタツ”が近いかもしれません。
しかし「炎のゆらぎ」があるため、コタツのそれよりも数倍リラックスに”引き込まれていく”感じがします。
(圧倒的に今回のストーブセッティングの方が上でした)
また、会話が途切れても、ストーブの炎があいだをとりもってくれたりするせいかもしれません。
ぼーっ、と眺めているだけで気持ちのいいのが炎ですから不思議です。
昔から、火を囲んでのゆったりとした語らいというのは、シアワセのイメージなんですね~。
それが現代の家の中でできてしまう薪ストーブは、やはりすごいと思います。
時代と共に、安全性などから暖房や調理器具など熱源の主役が電気にかわり失ってきたものが多くありますが、知らず知らずに家の中の【火】に伴って失ってきたものは大きい気がします。
みなさんもぜひ、日常的なストーブの使い方だけでなく、積極的に【炎を楽しむセッティング】をして、いつものストーブをある意味【非日常的に】楽しんでもらえたらいいな~と思うタメゴローでした~。
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