タメゴローでーす。
暖かくなってきて、
「さあ!まき割りするぞっ!」
って人が多くなってきた時期だと思います。
今回は、タメゴローが設計させてもらって、薪ストーブを設置した家の人から、「薪割りを始めてからよく質問されること」があるので、書いてみたいと思います。
質問の内容、それは、
「玉切りを”割”るタイミング」
です。
原木丸太をチェーンソーで玉切りにして、その玉切りを割るタイミングということですが、これが実は諸説わかれていたります。
大きく分けると下の2派だと思います。
A.玉切りした玉は、「すぐに割る!」派
B.玉切りした玉は、寝かせて「時間が経ってから割る!」派
・・・いつの世も派閥争いとは大変なものです。笑
タメゴロー的には、この2派はそれぞれの経験などからきているものだと思いますので、こっちが正解!とは言い切れません。
なんせ、割る木の種類も、長さも、使う道具ですら違うので、同じ条件で比較しないと厳密には比較にならないですよね。
しかし、建築設計をやっている知識と、実際に薪を割っている経験からいわせてもらうと、タメゴローは間違いなく
A.玉切りした玉は、「すぐに割る!」派
ですね~。
まず、知識的には、「木」というものは、山から切られた瞬間から水分が抜け、「乾燥」してゆきます。
この木に含まれる水の比率を、「含水率」といいます。
薪の乾燥具合を確認するときに使う「含水率計」の含水率です。
Dr. meter MD-812 LCDディスプレイデジタル木材水分計 所定の物質中の水の割合を測定に(木材、シートロック 、カーペットなど)2ピンタイプ 湿度検出器
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もちろんロゴがないので、ロゴ好きな人は某サイドさんから購入してください。笑
建築の一般知識として、
「木は乾燥している(含水率が低い)ほど、強度が上がる」
となっています。
これはいろいろな試験がされた結果で、ほぼ間違いない性能だと考えられます。
日本の木について研究している、(財)日本木材総合情報センターさんの試験で、
含水率が1%下がることで、
強度的性質の変化は、
曲げ強さ4%
縦圧縮強さ6%
せん断強さ3%
硬さ2.5~4%
ヤング率2%程度(専門用語ですね)
”UP”(あがる)とのことです。
つまり「木は乾燥すれば強度があがる」といえますね。
このことから、切って時間をおかずに、乾燥していない状態(含水率の高いまま)でまき割りをした方が、木は楽に割れる、と考えられますね~。
次いで実際に薪割りをしている体験から。
乾燥している玉を割ろうとすると、
・表面が硬くなり、斧がはじかれやすい
・斧がはいっても、割れずに部分的に「欠ける」
・割れても、繊維同士の結びつきが強く手ごわい
というのが率直な体験談です。
以上の2つの側面から、タメゴローは
A.玉切りした玉は、「すぐに割る!」
をおすすめしていますよ~。
ただ、これは「広葉樹」限って書かせてもらいました。
針葉樹は強度的に、広葉樹より弱い傾向にあり、特にスギやヒノキなどは割りやすく、乾燥していてもパカパカわれちゃいます。
木としての強度は上がっているかもしれませんが、薪割りをするのに困難になるほどの硬さではない、といえるのかもしれません。
あと、割らないで玉状態で雨ざらしに積んでおくと、乾燥していきます。
ちょっと不思議かもしれませんが、木は切ると、その部分から水が抜けないように、きゅっと細胞を閉じます。
その閉じた細胞に水をかけてあげると、来た水をとりこまなくちゃ!ってなって開いてくれる傾向があります。
そのため、中の水が抜けやすくなると考えられます。
これを利用して、ある程は雨ざらしにして水分を抜くのを促進してあげられるわけですね。
ある程度の含水率まで下がると、逆に水を与えることになるので逆効果だと思いますが。。。
とまあ、ここまで書いてきましたが、現実問題として、原木を玉切りにして、すぐに割る余裕が全員の人にあるとは限りませんよね。
また、体力的にも休日的にも、やりたいけど、そんなに都合よくばかりはいかないってことの方が多いと思います。
要は、樹種によって早く割っておかないと硬くなってしまうものが多い、と考えて、針葉樹と広葉樹が同時にあれば、広葉樹を早く割っておくべきだ!とか、針葉樹は後回しでもOK!という判断材料にしてもらえばいいんじゃないかな~、と思います。
ただ、あんまり寝かせすぎて、カチカチになったものは、視界にもいれたくなくなりますので、気をつけてくださいね~。笑
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